2021年9月 6日 (月)

アメリカで見つけた、おもしろ新技術(8); シャコパンチ

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シャコの仲間で ”mantis shrimp” というザリガニがいる。このザリガニは水中で貝にパンチをして殻を割って中身を食べる。そのパンチ力は水中の生物で最強だと言われている。

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A mantis shrimp. Credit: Silke Baron

水の抵抗を受けながら硬い貝殻を割る衝撃力は確かにスゴイ。それだけの強力なシャコパンチだが、なぜシャコの腕は壊れない(ケガをしない)のだろうか。その謎を解明した先生がいる。カリフォルニア大学リバーサイド校のDavid Kisailus教授だ。

先生の解析によると、シャコの腕はパンチをしたときに2度の衝撃を受けるという。最初の衝撃は相手の貝殻に衝突したときの反作用で2度目の衝撃は反発の際に接触面近傍が真空になりその“泡”が消滅するときの衝撃、つまりキャビティ効果の衝撃なのだとか。シャコの爪はそういった2度の衝撃に耐えることができる。

先生は、シャコの爪の内部構造を詳細に観察し、再表面が硬くその内側に衝撃を吸収する微細構造があることをつきとめた。

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(Image: by David Kisailus , UC Riverside)

この構造を模倣することで、人工的に耐衝撃材料をつくることができる。それは薄い形状でも分厚いウレタンと同じような衝撃吸収能力があるのかも知れない。ヘルメットや航空機、宇宙船の材料など用途は広い。

先生は、シャコパンチ以外にキツツキの脳みそがなぜ動かないのかという研究もしている。ユニークだ!

 

 

 

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2021年8月18日 (水)

電気自動車(EV) への転換が加速する

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先月、EUが2035年にはガソリン車の販売を禁止すると発表した。これで、電気自動車(EV) への移行が現実的になったと思う。

 

各国の政府がEVへの移行を表明するのは、これが初めてではない。2017年頃に欧州を中心に政府の方針を示した国がある。ただ、この時は政治的なパフォーマンスの面もあるのではないかとも見受けられた。

 

2017年頃の各国の方針

イギリス

2040年までに国内でのガソリン車とディーゼル車の販売を禁止

フランス

2040年までにガソリン車、ディーゼル車の販売を禁止

ノルウェー

2025年までにEVとPHVにすることを目指す

オランダ

2025年にディーゼル車とガソリン車の禁止を目指す

ドイツ

一部の州で、2030年までにガソリン車をフェードアウト

インド

2030年までにディーゼル車とガソリン車の廃止を検討

 

実は2017年時点で、米国で販売されていたEVは10車種以上あった。しかし、実用的なEVは少なく、売れていたのはTeslaくらいだった。その後、Boltやi3、リーフなどが台数を伸ばすようになった。

 

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今回のEUの方針は、非常に現実的で実効性が高いと感じられる。2017年の頃と比べてEVの技術開発が進み、量産体制も少しづつできてきた。そして、何より販売台数がそれなりに増えてきた。2035年というタイミングも絶妙だ。不可能ではないけど、実現するにはかなりの努力が必要だ。

 

努力の中身は巨額の投資と産業構造の転換だ。投資については、すでにメーカー各社は計画を発表している。世界のEVとPHVの販売台数は2020年で約320万台だった。世界全体の自動車販売台数が5,600万台なので、割合でいうと6%弱しかない。全部をEVの生産に移行すると、さまざまな社会問題が生じる。エンジンやトランスミッションを製造する企業やガソリンスタンドと石油企業の一部がいらなくなるという、大問題が起こることになる。日本の自動車メーカーでは、EV転換のための人員削減がすでに始まっている。逆に、バッテリーとモーターを製造する会社が生まれ、AIを中心としたIT企業が伸びることになる。極端なケースでは、トヨタがGoogleやAppleの生産工場になる。水素エンジン車で時間稼ぎをしている場合ではない。

 

日本に住んでいると実感がないと思うが、カリフォルニアでは1日でテスラを100回以上見かける。冗談でも誇張でもない。実際に数えてみたことがある。昨年から今年にかけて、昼間と少し遅い夕方の時間に15分程度の場所に定期的に通っていた。その運転中にテスラを見かける回数を数えてみると、10分間で12台から15台くらいのテスラを見かける。日を変えて何度か繰り返してみても同じような台数を見かける。つまり、1時間ドライブすると90台くらいのテスラを見かけることになる。世界ではEVへの転換がすでに始まっているのだ。

 

最後に、ガソリン車がEVに置き換わる理由を見ておこう。EVの利点はおおむね以下のようなものがある。

  • 排ガスがない
  • エネルギー効率が高い
  • 独立電源の可能性
  • 制御性の良さ(自動運転)
  • 製造工程が簡略
  • 保守・点検が少ない
  • 騒音が小さい

 

この中で、特に注目すべきはエネルギー効率だ。下の図は、慶応大学の清水先生の計算による、ガソリン車とEVのエネルギー効率の比較である。両方とも原油を出発点にして計算している。EVでは(原子力ではなく)火力発電の電力を使うことを前提に計算しているにもかかわらず、35%という高いエネルギー効率を実現している。一方、ガソリン車ではエンジンとトランスミッションの効率の悪さが原因で8.6%と低いことがわかる。将来、再生可能エネルギーの電力が利用できるようになれば、EVのエネルギー効率はさらに高くなる可能性もある。上記の他の利点も合わせると、EVにしない理由がない。

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2021年6月30日 (水)

Amazon Freshに行ってみた

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2017年にAmazonが食品スーパーのWhole Foodsを買収した。Whole Foodsはオーガニック食品を主力にしてブランドを確立していて、北米と英国に500以上の店舗を持っている。

Amazonは、生鮮食品配送サービスとしてAmazon Freshを立ち上げていたが、実店舗をもつ食品スーパーを傘下に入れることで、食品流通のノウハウを手に入れることができる。

そして昨年、Amazonは自らの実店舗をロサンゼルスに作り始めた。現時点でカリフォルニアに8店舗、シカゴに4店舗、他に2店舗を出店している。

今回は、ロサンゼルス近郊の店舗に行ってみたので、その様子を紹介する。

場所は大型のショッピングモールの一角で、店の広さはアメリカの一般的なスーパーのチェーン店と同じくらい。商品棚の構成や陳列も普通のスーパーと変わらない。店に入って最初に目についたのが、初めてみるショッピングカートだ。10インチくらいのディスプレイとバーコードリーダーがついている。
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             ショッピングカート                             店内

 

事前にスマホに専用アプリを入れて自分の情報を登録しておけば、そのカートで支払いが完結できて、レジに並ぶ必要はない。専用アプリの登録のために、プライム会員になる必要はないという。(今回は初めてだったので、カートは使わずにレジで精算した。)

この店が一般の食品スーパーと違うのは、店のスタッフが発送のための商品をピックアップしていて、そのためのスタッフの数が客と同じくらいいることだ。つまり、オンラインで注文を受けた品物の配送センターの役割をしていて、その売り上げが来店客よりも多いことが推察される。
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スタッフが発送用の商品をピックアップしている様子

 

一般の食品スーパーでもオンライン注文の配送サービスをしているが、それほど普及しているとは言えない状況だ。そこにAmazonが参入するとスーパーの店が配送センターになる。発想の転換だ。店で商品を一度見ておけば品物の状態が分かるので、次からは安心してネットでも注文できる。

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Amaznon FreshのWebサイト

 

小売業界でのAmazonの最大のライバルはWalmartだ。Walmartは食品から雑貨、日用品、薬局を含めた世界最大のスーパーマーケットだ。食品、特に生鮮食品は取り扱いが特殊なので、まずはWhole Foodsを買収してそのノウハウを手に入れた。そしてそれをもとに、スーパーの商品棚を配送センターの”倉庫”として兼用するという、新しいスタイルの店舗を作った。

 

 

 

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2021年6月27日 (日)

アメリカで見つけた、おもしろ新技術(7); 4D印刷

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第7回は4D印刷というもの。3D印刷のさらに先をいく4D印刷とは何なのか・・・

4D印刷とは、3D印刷で作製した”物”が熱や光、湿度他の環境に暴露されることで時間の経過とともに形状や特性を変化するというコンセプト。

Georgia Institute of TechnologyやDartmouth Collegeなどで研究されている。

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(Image: by Chenfeng Ke , Dartmouth College)

 

この写真はDartmouth Collegeのデモである。G1というハイドロゲルを3D印刷し、それを室温乾燥あるいは700℃加熱することでサイズが小さくなる。

 

Georgia Techでは自己組織化材料を使って印刷後に形状を変える4D印刷の研究をしている。ハイドロゲルだけでなく、銀ナノインクや液晶エラストマー、形状記憶ポリマーなどの材料を使って、外的要因によって形状が変化する機能の開発を目指している。

 

実用化にはまだ遠いレベルだが、これが実現すれば高度によって主翼の形状を変える飛行機や、小さく折りたたんで保管してお湯をかけると展開する災害用簡易住宅、ガン細胞の場所で鋭利な刃物になるナノ粒子など、今の技術では考えられない用途が生まれる可能性があるのではないだろうか。

 

 

 

 

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2021年5月25日 (火)

アメリカで見つけた面白新技術(6); 蓮の葉

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第6回は蓮の葉の超撥水表面の話。バイオミメティクス(biomimetics)では定番のひとつ。みなさんも蓮の葉の表面を水滴がころがるところをみたことがあるだろう。これをLotus Effect(蓮の葉効果)というらしい。表面にある微細構造で表面張力が大きくなり、超撥水の性質をもつ。

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                                   Image: University of Minnesota

このシリーズの第1回で紹介したSlippery Surfaces も、実はこの原理を応用したもの。食品パッケージや一部の撥水表面など私たちの身の周りでもすでに実用化されているものがある。

 

世界中で研究をしている大学も多く、ざっと上げても以下のような研究機関が見つけられる。

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2021年4月16日 (金)

ソロプレナー養成プログラム

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社員研修プログラムのご案内    「ソロプレナー養成プログラム」

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「ソロプレナーという働き方 ~サラリーマンが副業で始める個人事業~」

 

e-ブックで紹介している、サラリーマンが副業でスモールビジネスを始めるための、実践ワークショップのプログラムをご案内します。

 

週休3日や兼業容認、さらに定年延長などの人事制度の変革にともない、ジョブ型雇用や成果主義への転換が急務です。そのためには、社員個々人が専門性をもったプロフェッショナルとして働く意識をもつことが必要になります。

 

本研修プログラムは、社員がサラリーマンの立場を維持したまま、副業としてスモールビジネスを起業するノウハウを習得させるものです。副業で専門領域の能力を向上させ、同時に経営者のマインドを持たせることで、それを会社の業務にも反映させます。こうして、社員と会社の両方がWin-Winの関係を築くことを目指します。また、定年延長によるフリーライダー対策として、個人の能力向上、副業・独立を促す施策としても活用できます。

 

研修プログラムの概要は以下の通りですが、各社の要望に応じて柔軟に対応します。

 

研修内容

  • 事業シーズと利益シミュレーション(事業候補、損益計算書、損益分岐点)
  • 自己分析(知識、スキル、コンピテンシー)
  • 事業戦略(マーケティング戦略、ビジネスモデル)
  • 事業計画(事業概要、資金繰り表)
  • ケーススタディ(失敗事例、成功事例)
  • 事務手続き(個人事業主、会社設立)

 

 

詳しくはこちら

 

 


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2021年3月15日 (月)

アメリカでのコロナ・ワクチン接種を体験して見えてくる日本との違い

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アメリカでは昨年12月からワクチン接種が始まり、すでに7千万人が少なくとも1回目の接種を受けている。2回の接種が完了した人は3千8百万人を超え、18才以上の人口の15%弱に達している。感染者の累計は2千9百万人なので、合わせると人口の2割がすでに抗体を持っている計算になる。3月は1週間に1000万人のペースで接種が行われている。

今回は、アメリカでの接種体制やフォローアップ体制について、私の家族が接種を受けた状況をまとめてみる。

まず、連邦政府のCDCが接種の優先順位を示しており、それぞれの州政府そして自治体はそれを基準にして、接種の制度を作っている。CDCが示している優先順位をおおまかに示すと以下の通り。現時点で、Phase1B, Tier1を実施している。

 

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医療従事者、介護施設、透析センター、訪問介護、検査ラボ、65才以上

Phase 1B

Tier 1

食品、農業従事者、教育機関・保育施設

 

Tier 2

65才-74才、刑務所、ホームレス、交通・流通従事者、一部の製造業

Phase 1C

 

50才-64才、16才-49才

 

接種場所は、基幹病院や特設会場から始まって、2月終わりから一部の地域ではドラッグストアでの接種も行っている。球場やテーマパークなどの駐車場に大規模なドライブスルーの接種会場も設けていて、”スーパーサイト” と呼ばれている。すべて予約制で、自治体や医用機関が運営するウエブサイトから事前に申し込んで予約をする。

私の場合はKaiser Permanenteという、医療保険と病院が一体になったサービスに加入しているので、そこのサイトから予約して接種に行った。

まず、予約の段階で持病や過去のアレルギー、最近他のワクチンを接種していないか、COVID-19に感染したことがあるか、あるいはその症状があるか、そしてモノクローナル抗体治療を受けていないかと、ウエブ上で質問に答えたうえで予約の画面に行ける。

予約の日時に病院に行くと、接種会場の入り口で、予約時に答えたのと同じ質問の用紙を渡されて、そえに回答を記入する。

接種会場は、大きめの会議室で、5~6個のテーブルに看護師が1人づついて、そこで接種を受ける。そこでは今度は対面で同じ質問をされて、それに答えていく。そしてワクチンにはリスクがあることを説明され、こちらから質問があるかを聞かれる。

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接種が終わると、同じ部屋に待機場所があり、そこで15分間待つように言われる。同時に2回目の接種の予約を取るブースが設けられていて、そこで次の予約を取ることができる。

接種が終わったら、今回の接種の情報が記載された”接種票”を渡されて、次回に持参するように指示される。接種票には製品名の”Pfizer BioNTech” とロッド番号、有効期限、接種日と接種時間、接種場所が明記されている。

接種後のフォローアップとして、 V-Safe というスマホのアプリのパンフレットを渡された。これはCDCが運営するワクチンの副反応情報を収集するアプリで、登録するかは任意だ。これに登録すると、アプリからメッセージでその日の容態確認をもとめられ、接種後の痛みや体調を報告する。接種後の最初の1週間は毎日の報告で、その後5週間程度は週に1回の報告でよい。その後は3ケ月後、6ケ月後、そして12ケ月後に報告する。

報告内容には、ワクチンを受けた人の情報(年齢、性別、人種、持病など)とワクチンの情報(メーカー、ロッド番号、他)がひもづけられているので、数千万人のリアルワールドエビデンスが得られることになる。リアルワールドエビデンスは、CDCにとっても製薬メーカーにとっても強力なツールになるので、CDCの戦略が見て取れる。

日本との大きな違いは、アメリカはすでに全人口分のワクチンを確保していることだ。日本は、まだ人口の10%分も確保できていない。そして、ワクチンの対象者になっているかどうかをオンラインで確認でき、自分が対象になったら連絡がくるように登録するシステムができている。予約はすべてオンライン(一部電話もあり)であることや、看護師が注射できること、CDCが統括をしてデータ収集もきちんとやっていること、そしてワクチンの治験の情報を公開していることなど、日本との違いはたくさんある。また、日本のメディアは過度に副反応の不安をかきたてる報道に終始しているが、アメリカでは(副反応に注意はしているものの)ワクチン接種に肯定的な報道が多い。

日本でも早期にワクチンが国民にいきわたり、多くの人が安全に接種できることを祈るばかりだ。

 

 

 

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2021年3月 8日 (月)

ソロプレナーという働き方 ~サラリーマンが副業で始める個人事業~

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e-ブックのご案内

昨年の「日本企業のための シリコンバレー流イノベーション」に続いて、2冊目の本が、e-ブックサービスの“スキルアカデミー”から出版されました。

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タイトルは「ソロプレナーという働き方 ~サラリーマンが副業で始める個人事業~」
このe-ブックは7部構成で、部ごとの購読ができます。興味のある方は、下のリンクからスキルアカデミーのサイトにいき、e-mailを登録したうえで購読してください。すでに登録されている方はログインして購読できます。

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e-ブックの購入方法:
 1)こちらからスキルアカデミーのサイトでメールアドレスを登録してください(無料)
 2)e-ブックサイトからご希望の項目を選択して購入手続きへ


日本ではリモートワークが定着し、東京から地方への移住が始まっている。企業も東京にオフィスを持つ必然性がなくなるので、分散型のオフィスに移行していくだろう。

さらに、企業側が兼業を認める動きが急速に広がっている。これまで普通に会社員をやってきた人たちが、突然来月から兼業していいよと言われても困ってしまうだろう。また、企業の人事部門としては、新しい人事制度に作り直す必要がある。

兼業や副業が許可されたとしても、そこにいる会社員自身が兼業や副業に意欲を持たなければ、実効性のある制度にはならないだろう。社員にとっても人事部にとっても重大な問題だ。

スモールビジネスは、サラリーマンが副業を始めるときの選択肢のひとつになる。本書は、副業で始めるスモールビジネスを計画する段階で知っておくべきこと、考えておくべきことを、著者自身の経験をもとに実例を交えて解説するものである。本書は以下の内容でお届けする。

第1部 事業シーズを探る!
第2部 必要な能力を身に付ける!
第3部 事業戦略を考える!
第4部 事業計画を作ってみる!
第5部 失敗から学ぶ!
第6部 成功事例から学ぶ!
第7部 ソロプレナーを始めよう!

各部にある課題に自分で取り組んで記入しいくと、事業計画書のフォーマットが完成する構成になっているので、第1部から順番に読み進めることをお勧めする。

本書を社員個人の立場で読んでもらうことは、将来副業としての起業を考えるときの実践的な基礎知識となる。また、人事部の立場で読んでもらうと、兼業・副業を許可した人事制度の下での、社員の再教育として活用できる。本書をもとにした社員研修も用意している。社員研修プログラムの詳細はこちら

 

 

 

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2021年2月20日 (土)

アメリカで見つけた、おもしろ新技術(5); サハラの蟻

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第5回はサハラの蟻について。灼熱の砂漠にアリが生息していることも驚きだが、それを研究している物理学者がいることにも驚かされる。

サハラ砂漠にシルバーアントという蟻が生息している。普段は砂の中に潜んでいるが、日中の10分間だけ砂の上に出て食料を探すという。日中の砂の表面は70℃以上になる。体が小さく熱容量の小さいアリが灼熱の砂の上にでるのだから、一瞬で焼け焦げてしまいそうだが、この蟻は生きている。

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(Image: Vincent Amouroux, Mona Lisa production/ Science Photo Lab)

ニューヨークにあるコロンビア大学の先生は、この蟻がなぜ灼熱の環境で生きていられるのかを研究している。この蟻は体が細かい毛でおおわれていて、その毛のおかげで体表温度を10℃くらい低く保てるという。

秘密は毛の構造にあった。この蟻の毛は中空構造になっている。その中空構造の断面サイズが熱(つまり遠赤外線)の波長よりも小さく、熱線は毛の内部に吸収されその後内部での反射を繰り返すという。そのため、蟻は体温を低く保つことができるのだそうだ。

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(Image: Norman Nan Shi and Nanfang Yu, Columbia Engineering)

先生の研究はこれで終わりではない。シルバーアントの毛の中空構造を人工的に再現することで新しい素材を作ったのだ。ナノサイズの中空構造をもった材料をペンキにしてビルの屋上の塗装をすると、高い断熱効果があるという。その材料を製造販売するスタートアップも立ち上げた。将来は断熱効果の高い住宅や、炎天下でも社内が熱くならない車などができるかもしれない。

 

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2020年12月14日 (月)

アメリカで見つけた、おもしろ新技術(4); ヤモリの吸盤

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第4回はGeckSkin。Geckoはヤモリのこと。これはヤモリの吸盤を人工的につくるという話だ。

University of Massachusetts – Amherst が開発した “Geckskin” は、ヤモリの足の裏の微細構造を再現したもの。なめらかな表面への吸着・剥離を繰り返すことができる。開発当初は700ポンド(300Kg超)の重量を支えるフィルムだった。

2013年に、GeckSkinを製品化するためのFelsuma LLCという会社を設立した。

 

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現在製品化されているのは、目張り用のテープGeckskin Gripseal Foam Sealant Tapeや繰り返し貼れるGriphook、何度も書いて貼れる GriptileC、何度も貼れる両面テープのGriptile TS他アイデア商品的なものがある。

この技術は、もともとDARPA(アメリカ国防高等研究計画局)の資金で開発していた。現在は、米軍の資金でZ-Man projectという垂直な壁を上ることができる手袋を開発中。トムクルーズでなくてもガラス張りのビルを登れる日が来るかもしれない。

https://youtu.be/okNPuGNuARs

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