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2010年10月14日 (木)

フレキシブル太陽電池

今週、ロサンゼルス・コンベンション・センターで Solar Power International 2010 という学会+展示会が開催されている。 管理人も昨日行ってきた。

太陽電池といえば、家の屋根やビルの屋上に設置するものを思うかべる人が多いと思う。日本は、以前は太陽電池で世界トップの発電量を誇っていたが、今ではヨーロッパやアメリカに追い越されている。この太陽電池について、アメリカとヨーロッパで注目されていて日本ではまだ関心が薄い技術を紹介する。フレキシブル太陽電池と集光型太陽電池の2つ。

今回は、フレキシブル太陽電池について。

名前の通り曲がるのである。しかし、曲がることがいいのではない。特徴は大きく分けて2つある。

ひとつは、薄膜太陽電池であること。もうひとつは、(曲がるので)取り扱いが楽なこと。開発側の立場で言えば、安く作れるというのもあるが、これは発電効率やその他のトレードオフがあるので、一概には言えない。

薄膜太陽電池というのは、発電をする半導体材料の層が薄いということ。一般的に多結晶シリコン太陽電池は、発電するためのシリコン半導体の層の厚さが 0.3mm くらいある。これに対してアモルファスシリコンの場合は 0.005mm (0.5μm)程度でよい。だからシリコン材料の使用量が少なくて済む。他に、カルコパイライトと呼ばれる材料(例えば、Cu(In,Ga)Se2)やカドミウム・テルルなどの材料もあり、それらを総称して”薄膜太陽電池”と呼んでいる。(それ以外に、色素増感型や有機薄膜、量子ドット型なども開発されているが、ここでは省略する。)

曲がることについては、別の議論となる。すなわち、薄膜太陽電池をガラス基板に作っている会社も多い。それを、ステンレスの薄板やプラスチックフィルム上に作っている会社があり、それらがフレキシブル太陽電池である。つまり、曲がるためには、薄膜太陽電池であることとフレキシブル基板上につくることが必要なのだ。

発電効率は、10%前後といったところだろうか。一般的な多結晶シリコン太陽電池の発電効率が20%前後なので、それに比べると見劣りがする。しかし、最初に述べたように材料の使用量が少なく、取り扱いが容易、将来は安価になることが期待できるなどの利点がある。

もうひとつ、あまり一般の人には知られていないようだか、多結晶シリノン太陽電池は、パネルの一部が日陰になると、発電量が極端に小さくなったり発電しなくなるらしい。一方で薄膜太陽電池は、一部が日陰になっても残った部分で発電するし、朝夕の太陽が傾いた時の発電効率は優れているようだ。

アメリカでこういったフレキシブル太陽電池を開発・生産している会社は、Ascent Solar、Global Solar、Nanosolar、SoloPowerなどがある。 管理人も、このうちの何社かへ訪問したことがある。(写真は、Ascent Solar)

次回は、集光型太陽電池について。

Ascent_solar3b

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