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2011年1月24日 (月)

PE-6 アプリケーション

プリンテッド・エレクトロニクスではさまざまなアプリケーションが考えられている。

有機太陽電池や有機LED照明は、そもそもプリンテッド・エレクトロニクスという言葉が注目される以前から地道に開発に取り組んでいて、プリンテッド・エレクトロニクスという言葉が注目を集めるようになったので、その分類に入ったと言ったほうがよいかもしれない。太陽電池では KONARKA が有機太陽電池のリーダー的存在だが、無機のシリコン材料を印刷してPV素子を作る研究も、大学などで以前から行われていた。有機LEDは高分子タイプの材料を印刷で作る開発が長年つづけられており、一部では低分子タイプの材料も印刷が検討されているようだ。

プリンテッド・エレクトロニクスで期待されている最大のアプリケーションは、TFTやCMOSなどの半導体デバイスだ。現在は、RFIDのアンテナ部分が印刷で作られているだけだが、ICも印刷で作ることが検討されている。すでに 20bit 程度のメモリの試作は完了しており、現在ロジック回路の開発に取り組んでいる会社がある。これが成功すれば、すべて印刷で作ったRFIDができあがることになる。

彼らが狙っているのは、非接触型のICカードや携帯に組み込む、 NFCという国際規格のデバイスである。日本の Suica や Pasmo、それに”おサイフ携帯”は FeliCa という規格を使用しているが、NFCは上位互換の規格になっている。非接触ICカードを交通機関や携帯電話に適用することは、日本などですでに実証済なので、欧米メーカーはそれを世界市場に展開することを狙っているという構図だ。

印刷でCMOSやメモリが作れるということは、トランジスタの数を増やせばさらに複雑なセンサやディスプレイへも展開が可能になる。

IC以外の分野でのアプリケーションとしては、機械的な動きをするアクチュエータが開発されている。高分子アクチュエータはいくつかの原理が考えられているが、誘電特性をもち変形する材料を使った方法が現実味をおびてきている。本来の目標はピエゾ素子に代わるモーターやロボットの関節、そして医療用デバイスなどたろうと思うのだが、現状ではタッチスクリーンのハプティック・フィードバックあたりを当面のターゲットにしているようだ。

さらに身近な分野での応用として、衣類等の生地に導電性をもたせてセンサやスイッチ、あるいはディスプレイなどの機能を組み込むとう発想もある。これを総称して Txtile と呼んでいる。単純な発想としては、Tシャツの袖を触ると背中の模様が光るといったことになる。もっと進めて、トレーニングスーツ全体が圧力センサのマトリクスになっているようなモノができると、選手の動きの解析に使えたりするかもしれない。

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