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2011年2月 9日 (水)

メタマテリアル(前篇)

今回は、とってもマニアックな、 メタマテリアルについて。

メタマテリアルとは

10年ほど前からメタマテリアルという分野が活発になっている。メタマテリアルというのは、自然界に存在しない材料という意味で、特に負の屈折率をもつ材料のことをさす。

負の屈折率とはどういうことなのだろう。

自然界にある物質は、光を透過するものは屈折率が1以上である。たとえば、空気は屈折率=1、ガラスは1.5といった具合である。屈折率は、その物質のもつ誘電率と透磁率で決まる。メタマテリアルはこの誘電率と透磁率を人工的に制御することで作り出される。そのカギを握るのが「表面プラズモン」という物理現象だ。

表面プラズモンとは

表面プラズモンとは、金属と誘電体の境界に特定の波長の光が特定の角度で入射したときに、その境界のごく近傍でその波長の光が増幅される現象をいう。一般の生活で見ることができる表面プラズモンの例として、しばしばステンドグラスが挙げられる。ガラスの着色は金属の粉をガラスに混ぜることでできる。ガラスは誘電体でそこに混ぜる金属の種類によって色が変わる現象を利用している。

さて、メタマテリアルは、この表面プラズモンが生じる微細構造を周期的に並べることで、誘電率と透磁率を強制的に変えることで実現する。上に書いたように、特定の波長についての話である。また、上では光と書いたが、電磁波全般に応用できる。たとえば、マイクロ波の領域であれば、波長が長いので数センチ間隔の周期構造で効果が得られる。それを光の波長でやろうとすると、ナノメーターのサイズの周期構造を作る必要があるので、難易度がグッと増す。

発明者

メタマテリアルの周期構造を提唱したのは、ジョン・ペンドリー郷というイギリスの物理学者で、この人が表面プラズモンの周期構造の理論を作った。その理論に基づいて(2000年頃に)最初に実験をしたのが、デビット・スミス教授というアメリカの若い物理学者である。(蛇足だが、管理人はこのお二人にお会いをして、プロジェクトを模索していたことがある。)

さかのぼること40年、1968年にロシアの物理学者でベセラーゴ博士という人が、誘電率と透磁率が共に負となった場合の電磁波の挙動を理論的に構築し、2000年のスミス教授の実験結果はそれを裏付けるものとなった。 (このベセラーゴ博士、かなりご高齢なのだが今も健在で、学会にも参加してる。少なくとも、2~3年前に管理人が参加した学会では、姿を見かけている。)

長くなりそうなので、今日はこのへんにしておきましょう。

次回は、負の屈折率の現象や、光の話、そして用途など、、、

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