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2011年3月22日 (火)

nanotech 2011 で感じたコト

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 東北関東大震災で被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
 アメリカ国内でも、震災発生直後から支援の動きが広がっています。
 一日も早い復興をお祈りいたします。
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今回は、日本の企業や研究機関の研究開発の姿勢に対する憂慮について、管理人の感じていることを書いてみる。

先月、日本に出張したときに、ちょうど nanotech2011が東京ビッグサイトで開催されていたので、覗いてみた。展示の内容が、米国で開催されている同様の展示会に比べて、とても控えめというかこじんまりした印象を受けた。 誤解を恐れずに言うなら、欧米の企業に比べて1年遅れている感じだ。

まず、個別の会社の視点の広さが、米国の企業に比べて狭い。 米国やヨーロッパ、そして韓国の企業は、どんな小さなベンチャー企業でも、世界の市場を見据えてそこで展開すべきシステムや仕組みを念頭において自社の戦略やポジショニングを考えている。それに対して多くの日本の企業は、自分たちの得意なデバイスや材料に固執して、よく言えば堅実にやろうとしている。

ここでいう世界の市場とは、アメリカでもヨーロッパでもない。ブラジルや中国やインドなどのBRICsやVISTAといった国々だ。こういった国や地域では中間所得層が急増していて、手ごろな価格でそこそこの性能の製品への需要が爆発的に拡大している。日本の市場では10万個とか100万個といった規模の需要だったものが、ケタ違いの需要になっていて、日本企業はその需要に対応するための設備投資の決断ができなくて躊躇しているように見える。 ”賢く考えて、小さくまとまっている”といった感じを受けるのは管理人だけだろうか。

  
日本の企業が変わったのでなく、世界の市場の急激な変化に日本企業が追従できていないという印象が強い。

今年は震災の復興需要で国内市場が少し活発になると思うが、それに気を取られて世界の新興市場に目をやることを怠らないでもらいたいと願う。
  

それからもうひとつ・・・

NEDOや○○総研といった特殊法人の研究機関のブースがやたらに多く、その中身の貧弱さが目立った。個別の研究テーマをすべて見たワケではないので、もちろん中にはちゃんとした研究テーマもあると思う。しかし、管理人が見た発表の多くは、アプリケーションがあいまいで市場の要求をほとんど見ていないと感じるものが多かった。何人かの説明員に話を聞いてみても、市場ニーズの意識がほとんどなく、研究のための研究をしている印象を受けた。

これでは、税金の無駄使いだけでなく、将来の展望も見えてこない。「2番ではダメなんですか」という政治家も困ったものだが、現場の研究プロジェクトがこの程度では文句もいえまい。
 
今後数年間は、震災対策予算のしわ寄せで、国の研究開発費は削減される可能性がある。この機会に、特殊法人での研究テーマーの採択・評価の能力を高めて、量より質の体制に転換を図る必要があるのではないだろう か。

 

 

震災からの復興も、 日本の技術開発も、  ガンバレ !

 

 

    欧米での新技術調査、オープンイノベーションのご相談は TechnoScape, LLC まで。

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