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2011年3月30日 (水)

メタマテリアルのロードマップ(1)

 
このブログで、メタマテリアルの記事へのアクセスが以外と多い。そこで今回はメタマテリアル研究の最新動向の情報を提供しよう。 

 

Optical Society of America (OSA)という学会の雑誌で Optics & Photonics News (OPN)というのがある。その雑誌の3月号にある "A Roadmap for Metamaterials" という記事が、最近のメタマテリアルの研究動向を解説している。今回から2回に分けて、その記事で紹介されている4つのアプリケーションを掲載する。このブログに載せるのは英語の記事の一部を抄訳したものなので、正確な内容が知りたい方は、原文を読んでいただきたい。また、管理人の物理学の知識の乏しさと英語能力の限界から、翻訳した和文は機械翻訳のようにぎこちないが、我慢してもらいたい。

今回は、レーザーとセンサのアプリケーションについて、

■レーザー光源

半導体の量子ドットあるいは量子井戸構造とプラズモン・メタマテリアルを組み合わせることで、レーザー光源の出力を数オーダー増加させ、またフォトルミネッセンスの波長を狭くできることが確認されている。これは、明らかにスミス-パーセル効果による現象であり、メタマテリアルの構造によって制御可能なものだ。

この事実は、メタマテリアルが利得を増幅するという応用の重要な最初のステップである。すなわち、メタ分子のアレイがプラズモン励起で満たされて単一位相で発光する"lasing spaser"の実現である。従来のレーザーは自然界に存在する原子あるいは分子内での遷移で生じる波長であるのに対して、"lasing spaser"はメタ分子の設計(構造)によって制御できるのである。

量子カスケードレーザーはロスが少ない赤外領域のレーザーとして期待されている。それに対して、電気的な増幅作用をもつ半導体レーザーとメタマテリアルの組合せで可視光とテレコム通信の波長をカバーできるデバイスができることが期待されている。また、光と電気で増幅可能なグラフェンは、テラ・ヘルツ領域で強力なプラズモン増幅効果が期待されている。

メタマテリアルに利得を持たせることは、同時にジュール損失を抑えることを意味している。メタマテリアルでの負の屈折率材料や導波路、光学フィルター、ディレイ・ラインなどにとって、損失を抑えることは最も重要な課題である。

■センサー

非対称スプリットリング共振器で、Fano resonance あるいはメタマテリアル・アレイのナノ・アンテナなどは多く研究されていて、その反射/透過特性の変化を利用して、わずかな糖分や酸素濃度などの検出に期待されている。単層グラフェンなどは、メタマテリアルの多様性を引き出すことができる材料だろう。プラズモン・メタマテリアルをナノ構造にすることで、ソーラセルの活性層を飛躍的に薄くし、効率を高めることも期待されている。

以上

 

 

"lasing spaser" は、
spaser = surface plasmon amplification by stimulated emission of radiation

 

 

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