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2011年6月16日 (木)

センサーEXPOでみるオープンイノベーション

先週、シカゴで開催されたセンサーエキスポという展示会に行った。この展示会には毎年行っているが、今年は出展者が少なく盛り上がりにもかけていた。アメリカの雇用統計も住宅関連指標も一向に改善の兆しが無く、オバマ政権への不満も経済問題に集中している。リーマンショック以降国際会議の参加者が減る傾向が続き、いまだに回復していない。

そんな中で、かろうじて注目を集めていたのかエナジー・ハーベスティングだ。出展者数は少ないが、去年よりも確実に進歩していることがうかがえる。去年はゼーベク素子やMEMS振動発電などの発電デバイスや、フィルムバッテリー、無線ユニットなどが単体で展示されていた。今年は、それらを組み合わせてモジュールにしている展示が多かった。それぞれの部品メーカーが協力をして、そういったモジュールを作っている。たとえば、ZARLINKという会社の無線ユニットにInfinite Power Solutionsのフィルムバッテリーを組み合わせたモジュールは、電源(発電)素子を限定しないで、ソーラーセルや振動発電、あるいは熱発電などの電源と組み合わせることができる設計になっている。

特徴的なのは、ベンチャーに近い新しい会社同士が、アメリカ、ヨーロッパを問わず協業していることだ。これはセンサーだけでなく、プリンテッド・エレクトニクスなど最近注目を集めている分野でも盛んにおこなわれている。たとえば、ノルウエーのThinFilmという会社がアメリカのParc (Xerox) の設計で、ドイツのPolyICという会社の導電性フィルム基板を使って、オール印刷で作るメモリを開発している。

こういった、国や業界をを超えた協業が短期間で成立し、非常に早いスピードで開発が進んでいるケースをよく見かけるようになった。そのなかに残念ながら日本企業はあまり入っていない。

専門的に分析をしているワケではないので、当たっているかどうかは不確かだが、日本企業はこれまでのように、自社開発や技術導入で”自社製品”の開発に固執しているのではないだろうか。上記のような協業で開発した製品は、できたモノの権利(製造や販売などの利益を得る行為の権利)が複数の会社に分割されたり、自社の取り分が少なくなると考えてしまうのだろうか?

オープンイノベーションという概念は、ただ単に技術開発のリソースを外部に求めるだけではなく、会社の境界線を超えて新しいビジネスモデルをつくることを意味しているのだと思う。そう考えると、日本企業はまだ本当の意味でのオープンイノベーションができていないのではないかと思う。こういうことができる発想をもった経営者が出てくるのはいつになるのか。 早くしないと、世界において行かれてしまうと心配しているのは管理人だけなのだろうか。

 

 

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