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2011年12月28日 (水)

効率100%を超える太陽電池!

太陽電池の効率アップに関する研究が世界中で行われている。最近の研究成果で、期待できそうなものを2~3紹介する。

米国エネルギー省の研究機関で、National Renewable Energy Laboratory (NREL)というところが、外部量子効率が100%を超える太陽電池を開発した。

http://www.printedelectronicsworld.com/articles/first-solar-cells-with-quantum-efficiency-over-100-percent-00004039.asp

外部量子効率とは、太陽電池パネルに入ってきた光に対して発電して外部に取り出せる電気の比率だ。もっと正確に言うと入射したフォトンの数に対する取り出した電子の数だ。原理的には、1個のフォトンから1個の電子が発生する。しかし、さまざまな理由で電子が発生しなかったり、発生した電子が途中で消えたりする。だから普通は外部量子効率は100%よりも小さい。

現在の一般の太陽電池は、この外部量子効率は10%とか20%とか最も高いものでも40%ちょっとだ。

太陽電池の効率を高める研究は世界中でおこなわれていて、そのひとつとして量子ドットを使う方法が多く研究されている。今回の成果もその量子ドットを使ったものだ。

量子ドットを使うことによって、1個のフォトンから複数個の励起子が発生するという。励起子というのは電子とホールのペアで、それが分離して電子が電極に移動することによって電流が生じる。つまり1つの励起子から1つの電子を取りだすことができる。100個のフォトンから180個の励起子ができてそこから120個の電子を取り出せれば、結果として量子効率は120%ということになる。

もうひとつは、Los Alamos National Laboratory がカーボンナノチューブ(CNT)を使って効率アップの原理確認をした。

http://physics.aps.org/articles/v4/108

使ったのは単層CNTでしかも特定のねじれを持ち同じ長さのものが2つ以上が束になったものらしい。このCNT束の接点に生じた励起子は分離しやすく、電流として取り出しやすいという。

管理人には詳しい原理は分らないが、”CNTがねじれを持つ”ということは半導体の性質をもつCNTということだ。ねじれ具合や長さによって特性の違う半導体になるので、効果のある条件はさらに細かく特定されるのだろう。こう考えると、適切なCNT材料を作ること自体が難しいだろうと想像できるので、この研究はまだプリミテブな段階だと思う。

また、ここに出てくる半導体特性のCNTを99%の純度で精製する技術を持ったベンチャー企業がある。ここ何年かでCNTを使ったトランジスタの研究成果が多く発表されているが、それらの成果はこの会社の精製技術によるところが大きい。

何年か先には太陽電池の性能をを飛躍的に向上させるブレークスルーが起こるかもしれない。

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