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2013年1月11日 (金)

イノベーション考(2)

 

日本は情報でもガラパゴス


今年、1月4日のNHKニュースで、株価が1万円を超えて震災前の水準に戻ったと言っていた。同時に、2012年の米国での新車販売台数が、トヨタが200万台、ホンダ140万台に回復したと言っていた。しかし去年同じ米国で、韓国の現代・KIAグループが130万台の新車を販売したことは伝えていない。現代自動車は一昨年も米国で100万台を売って、急激な成長を遂げている。実際、ロサンゼルスでも一昨年から現代自動車の数が急に増えて、多くのSonataやGenesissが街を走っている。(Sonata, Genesissは現代自動車の代表的な車種。)

家電ではサムスンとLGがほとんどの分野で製品を出していて、しかも人気が高い。私自身もPCのモニターはサムスン製を2台使っている。フラットテレビも一番がサムスンでソニーは2番か3番目といった感覚だ。売り方が違うので直接比較ができないが、Visioも米国では大量に出回っている。

一方、日本国内では、韓国メーカーの自動車や大型家電を売っていないので、韓国製品はいまだに“安かろう悪かろう“という印象を持っている人が多い。それは大きな間違いで、日本の人たちが知らない間に、韓国製品が世界を席巻している。

逆の見方をすれば、韓国メーカーは日本では売れないのを知っていて、あえて日本を外してそれ以外の国で商売をしている。べつに日本で売らなくても、それ以外の世界で売れているからまったく問題はない・・・と考えている。

このような状況を、どれだけの日本の経営者が認識しているだろうか。まさに、情報でのガラパゴス状態だ。

もうひとつ別の観点から、日本のガラパゴス状態を説明しよう。

先に述べたように現代自動車が、この2年間米国で爆発的に売れている。特に2011年モデルからは、デザインも洗練されていて、性能も高い。コンスーマーレポートも絶賛している。さらに驚くのは、エンジンなどの基幹部品を10万マイル、10年間保証している。日米欧の自動車メーカーは3~5万マイル、3~5年の保証期間が一般的だ。 現代自動車が本当に10年間の耐久テストをして保証しているとは思えない。販促の戦略として他社の2倍の保証期間を提示していると考えるのが妥当だろう。それでも利益が出ると踏んでいるから、こんなことができる。

大型液晶テレビの廉価版で有名なVISIOも、不良への対応は修理ではなく交換が主流だろう。

アップルのiPhoneなどもバッテリーは埋め込みになっていて交換はできない。

これらの戦略から見えてくるのは、日本のメーカーが死守している品質や耐久性に対するまったく新しい考え方だ。現代自動車は10年間壊れない車を作っているワケではない。VISIOでも不良の発生は多いはずだ。もちろんある程度、というか普通の品質は確保した上での話しだ。その上で、長期間の保証をすることで売り上げを伸ばしたり、修理対応の固定費を持たずに交換で対応している。それで利益が出せるビジネスモデルを作り上げているということだ。

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