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2013年2月 9日 (土)

イノベーション考(6)

マーケット・プルのアプローチ

実際にどうやってビジネスの現場でイノベーション実現するのか・・・

MBAで教えるマーケティングやポートフォリオのような決まったやり方はないと思う。

イノベーションには方法論はそもそも存在しないのではないだろうか。

個別のケースごとに、個人の発想力や洞察力をフルに動員してやってみるしかないだろう。


前回述べた3つの要素は現代のビジネスにおけるイノベーションに必要なものだと考える。すなわち、

1.マーケット・プルのアプローチ

2.ソリューションとして提供する

3.ビジネスモデルを自分で作る


この3つはいずれも重要だが、新しい製品やサービスを企画するにあたって、最も重要ですべての考えの土台となるのはマーケット・プルだ。マーケット・プルとは、市場のニーズにけん引されるという意味。すなわち、市場ニーズを把握することだ。


ある会社が、米国のベンチャー企業を買収して、最先端の微細加工技術を獲得した。技術は世界一であることは間違いない。これを使って何か製品を作りたいと考えているが、何をつくればいいかアイデアを出してほしい。という相談をもらったことがある。これをプロダクト・プッシュという。現代のマーケティングで最もやってはいけないことを、この会社はやっているようだ。

そんなのダメだよね、と笑ってはいけない。実際に多くの会社がこれと同じことをやっているのだから。専門性を極めて、その業界にドップリと浸かって何十年もやってきた会社の多くは、自社の製品や技術からスタートした発想しかできなくなっている。それを変える手段も、目指す方向を探すことすらもできずに困っている。


このマーケット・プルを実現するためには、高度で広範囲なトレンドの分析と市場ニーズの分析が必要である。単に顧客の要望を聞くだけでなく(これすらもできていない会社が多いと思うが)、マクロ経済や世界市場のトレンド、各国政府の政策、世界規模での技術トレンドなどを分析する必要がある。同時に、市場のセグメントを細分化したミクロの市場ニーズを調査することも必要だ。個別のセグメントごとにニーズを把握して、それにカスタマイズしたソリューションを提供する。究極の細分化は、特定の個人のニーズと考えることができる。


もう一つ大切なことは、表面的あるいは直接的なニーズではなくて、その裏にある真のニーズを見極めることだ。人は自分でも認識していない真の動機やニーズをもっていて、それを解決してくれる製品やサービスを求めている

 

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