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2015年8月10日 (月)

ソーラー業界が元気

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inter Solar での疑問)

7月にサンフランシスコで開催されたSemicon West に併設されて、inter Solarというソーラーパネルの国際会議が開催された。毎年ここにも顔を出している。

ソーラーパネルの業界は、昨年日本政府の電力買取り政策が失敗して、日本では市場が冷え込んでいる。ヨーロッパでは数年前に電力の買取り価格を下げて以降、ソーラー業界に明るいニュースは聞こえてこない。

しかし、サンフランシスコで開催された今年のinter Solarは大盛況で、となりのSemicon Westをしのぐほどの混雑振りだった。なぜなのか? 技術面での大きなブレークスルーがあったというニュースは聞いていないし、政府の政策転換の話もない。アメリカでソーラーが盛り上がる特段の要素はないと思っていたが・・・

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(会場での話し)

そこで、会場でブースを出しているソーラー関連の団体やアライアンス、それから電源メーカーの何社かに話を聞いてみた。 彼らの話しを総合すると、複数の要因があるようだ。

アメリカでは連邦政府が行っている、ソーラーパネル設置に対して30%の減税(Tax Credit)の制度があり、それが今年で終わる。そのためユーザーも業界も駆け込みで設置している。

州によってはソーラーシステムに独自のインセンティブをつけているところもある。

このところ電力料金が高騰していて、下がる見通しがない。(そう言われてみれば、自宅の電気料金が去年からジワジワと上がっている。)これには複数の要因があって、原油価格の高止まりがその一つ。 さらに、アメリカでは新しい発電所を作ることができず、送電網の新設もできない。一方で都市の拡大は続いており、需要と供給のバランスが崩れ始めている。こういった状況が重なって、電力料金が高くなったため、相対的にソーラー発電のコストに競争力が生まれてきた。

また、ここ数年蓄電池のメーカーが急増している。

ハワイでは、ソーラー発電が増えすぎて、電力会社が買い取りを拒否する事態が生じている。そこで、自衛手段として、自宅に蓄電池を取り付けて、余った電力を売るのではなく蓄えて自分で使うという動きが加速している。

カリフォルニアなど電力料金の高い地域の事業主は、工場や事務所に自前の蓄電池を設置して、電力ピーク時の料金の高い時間帯は蓄電池を使って、電力料金をオフセットするという考え方が広まっている。

ソーラーパネルと蓄電池を組み合わせたシステムにする場合、ソーラーパネルの容量を小さくすることができるので、蓄電池の分が丸ごとコストアップになる訳ではない。

 

(本当の期待は・・)

このように複数の小さな要因が重なって、現在の北米での活況が生まれている。残念なのは、周囲の状況が変化してソーラーパネルの需要が高まったというだけで、ソーラーシステム自体の性能アップやコストダウンが出来ているわけではないという事実だ。ユーザーの立場からみると、結局エネルギーコストが高くなることに変わりはない。

これと同じような状況は日本でも起こる可能性がある。ハワイの事例は、まさにこれから日本がたどる道筋ではないだろうか。蓄電池を使った、ピーク電力料金のオフセットという考え方は、日本でも有効だろう。

蓄電池の普及が進めば、グリッドへの接続が必要になり、そこにスマートグリッドやスマートハウスの波が重なれば、全体として大きな流れになるだろう。ここでもカギを握るのはIoTのセンサや通信技術、制御ソフトの進歩とコストダウンであることは間違いない。

 

 

 

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