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2016年7月28日 (木)

ポケモンGOはARのキラーアプリになるか

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ポケモンGOが世界中で社会現象になっている。このポケモンGOで使われているのが、Augmented reality (AR)という技術だ。日本語でいうと「拡張現実」。同じような技術でバーチャルリアリティ(英語ではVirtual Reality、略してVR)がある。しばしば両者をセットにして AR/VRと表現される。

 

VRは、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)などを使って、周囲の環境から切り離された状態で、別の場所の映像やCG映像、360°カメラの映像などを見る。数年前から“今後の期待される(金になる)分野”として言われている「没入型体験」だ。OculusRiftSamsung Gear VRがバーチャルリアリティのデバイスだ。

 

それに対してARは、現実の世界があって、そこにコンピュータで作られた情報を追加する(重ねて表示する)。ポケモンGOでは減現実の世界(リアルタイムの映像)にポケモンを重ねて表示している。もちろんGPSと地図情報とのリンクや、緯度経度の座標による制御など多様な技術を組み合わせている。

 

ポケモンGOではスマホをプラットホームとして使っている。スマホやタブレットはARのプラットホームとして最適なデバイスだ。何より、すでにみんなが持っている。一方で、Google Glassのようなメガネ型のHMDが多く開発されている。セイコーエプソンのMoverioODGR-7 Glasses、マイクロソフトのHoloLensなど。これらはすべてARのプラットホームになることを目指している。

 

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実はARは数年前から盛んに開発されていて、専門の学会やイベントも世界中で開催されている。また、ヘッドアップディスプレイ(HUD)は古くから戦闘機で使われており、Augmented realityという言葉はなかったがARに相当する。

 

エンジニアの間ではARは数年前から盛り上がっており、ガートナーのHypeカーブでは2015年の時点ですでにピークを過ぎて「幻滅のくぼ地」にさしかかっている。実際に、ARを使ったアプリが実用化された例は限定的である。

 

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そんなときにポケモンGOが大ヒットした。これはARのキラーアプリになる可能性がある、と誰もが期待している。果たしてそうなるのだろうか。

 

私は、ポケモンGOはある程度の市場拡大効果はるが、これがARの最終形だとは考えていない。ポケモンGOの大ヒットによって、ARの使い方が広く一般に知られたことは大きな成果だと思う。すでに地方の活性化やビジネスへの応用が言われている。ゲームも大きな市場ではあるが、ビジネスでの活用が進むことで、新しい市場やサービスが生まれることを期待したい。

 

ARの活用が期待されるビジネス用途には、次のようなものがある。

1.作業指示 - 自動車やジェットエンジン、家電などの保守管理・修理の指示を、実物を見ながら遠隔から専門家の指示をもらうことで、未熟練者でも対応できる。

2.教育 - 作業マニュアル上の注釈や関連項目の表示。組み立て作業指示。

3.販売 - 家具や不動産、自動車などを疑似体験できる販売ツール。

4.ナビゲション - 自動車のヘッドアップディスプレイ。スーパーやショッピングモールでの案内。

5.軍事 - 日本ではあまり議論されないが、軍事用途は幅広い。

 

 

まだまだ課題は多いが、AR/VRの今後の展開に注目していきたい。

 

 

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