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2016年9月18日 (日)

説明責任って何?

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今回は、技術には直接関係しないが、間違った和製英語についてのお話。

日本のニュース番組を見ていると、説明責任という言葉が、どーにも違和感がある。不祥事をおこした政治家の弁明を求めているだけのようで、それでは責任をとったことにはならない。(実際には、説明すらしない人が多いのだが・・・)

説明責任というのは、英語のAccountabilityという言葉で、それを日本語に翻訳したものだ。そもそも「説明責任」という日本語はない。40年前のロッキード事件のときも、30年前のリクルート事件のときもそんな言葉はなかった。

Accountabilityとは、権限を持った者がその行為の結果、あるいはやるべきことを怠って招いた結果に対して、責任を持つという意味だ。それには、利害関係者に対して合理的な説明することも含まれている。そのうえで、しかるべき対処をすることが求められる。

英語で責任を表す言葉に、もう一つResponsibilityというのがある。こちらは、日常的に負うべき責任で、役割に付随する責任をいう。

Responsibilityは将来起こること(起こさないこと)への責任で、Accountabilityは起こった結果(起こらなかった結果)に対する責任ということだ。つまり、Accountabilityは「説明責任」ではなく「結果責任」というべきだ。

AccountabilityResponsibilityの違いや、説明責任という言葉の間違いについては、何人かの人がブログ等で詳しく解説しているので、時間のある人はそういったサイトを参照していただきたい。

こういった、翻訳で意味が失われることを英語で “Lost in translation” という。

築地市場の移転や東京オリンピックの準備で、またこの言葉がメディアで多用されるのだろう。

 

同様に、多くの日本人が間違った使い方をしている英語は他にもある。

例えば、“バックアップ”という言葉。社内の会話で、「○○君、このプロジェクトは君が進めてくれ。△△係長、バックアップをしてやってくれ。」という。これは、○○君に困ったことがあれば△△係長が相談にのったり助けてあげることを期待している。しかし、英語の ”Back Up” は緊急時の代替という意味だ。上の例にあてはめると、○○君がプロジェクトの遂行が困難になったときには、△△係長がその役割を取って代わるための体制を整えておいてくれ、という意味になる。スマホのバッテリーのバックアップみたいなものだ。最初のバッテリーパックの容量がなくなったら、別のバッテリーパックに取り替える。

 

(余談)

上記の例もそうだが、日本の組織の中では、責任の所在つまりAccountabilityが明確でない場合が非常に多い、欧米のマネジメントと比べてよく言われていることだ。このプロジェクトの責任は○○君にあるのか、それとも△△係長なのか。いや、その上にいる課長や部長なのか・・・ 日本の組織運営は長い間Accountabilityを明確にしないことで、上司と部下や組織内で独自の秩序を作り出して場のエントロピー増大を制御しているように思える。それが、時として社会の利益に反する結果(背任や横領、汚職、隠蔽など)につながる。東京都や五輪組織委員会は、どこまでAccountabilityを全うできるだろうか。

 

 

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