« Amazon GO | トップページ | 防衛分野のセンサ »

2017年3月 7日 (火)

User Experienceを考える

700sandiego1

 

- - - - - - - - -

7/17/2017 Update

 

Withingsは去年NOKIAに買収されていて、創業者の一人はNOKIAのデジタルヘルス事業の責任者に収まっている。スタートアップとしては大成功の事例だ。NOKIAは、そこから1年かけて、WithingsのブランドをNOKIAに変更する準備をしてきた。そして、この記事を書いた約3ケ月後に、新しいブランドへの移行を実施した。

私が使っているWithingsのアプリは、いつの間にか”Healh Mate”という新しいものに変わっていた。以前のアプリの画面に慣れているせいか、とっても使いにくく感じるのは気のせいだろうか、、、 それとも大企業に吸収された弊害なのだろうか。

- - - - - - - - -

 

もう5年も前から「日本企業が、部品やモノを作って売るビジネスモデルは利益が出なくなった。市場をつかむためにはシステムやサービスとして提供することが必要だ」と言ってきた。自分としては、すでにそれが当たり前のコンセプトだと思っている。

先週、日本のある大学の先生と、その話で盛り上がった。その教授が“わが意を得たり”と同調してくれて、日本にも理解者がいてくれることを嬉しく思う。ただ、その状況に妙な違和感があって、後で考えると改めて日本の現状を認識することになった。

つまり、私は自分の中では何年も前から考えていたことで、仕事で付き合いのある日本企業のクライアントの人たちにもことあるごとに言ってきたつもりだ。しかし、今その先生がこの話で盛り上がるということは、その先生の周囲の企業の人たちは、いまだにモノを売ろうとしていて、旧来のモデルから抜け出せていない現実があるからだろうと納得した。

 

そこで今回はこのコンセプトの実例として、User Experienceについて考えてみたい。

User Experience = ユーザー体験 と翻訳されているが、日本語では意味が不明瞭だ。このUser Experienceに関して、私自身が最近経験したことを紹介する。

数か月前、家族で使える体重計と血圧計を買った。Withingsというベンチャーの製品だ。購入にあたって、日本の製品も調べて比較した。Withingsに決めた理由は、アプリの使い易さだ。日本メーカーの製品は、機能は多いが測定結果をアプリに読み込むために都度操作してメニューを何個もめくらなくてはならない。Withingsのものは、(初期設定しておけば)測定するだけで自動的にスマホやタブレットに転送される。

Withings

ユーザーの立場からみると、測る、記録する、履歴をみるという作業が、できるだけ簡単になるのが良い。測る項目は体重と体脂肪率でいい。骨密度も筋肉量もバランス年齢もいらない。使い続けるためには、測定項目の多さよりも手間がかからない方が、はるかに重要だ。

Withingsを買ってその便利さを実感することが、まさにUser Experienceであり、それによって大満足している事実がCustomer Satisfaction に他ならない。

では、WithingsはどうやってこのUser Experienceを作り出したのか?言うまでもなく、キーになるのはソフトウエアだ。ハードウエアはそこそこの品質で作ってあって、測定精度も家庭用として十分な範囲にあればいい。測定の手順と記録の自動化が、概ねユーザーが期待する通りに作られている。

 

2008年にiPhoneをはじめて使ったときも同じような驚きと感動があった。まったく新しいデバイスなのに、マニュアルなしでも簡単に使いこなすことができた。操作の場面に応じて、おおむねユーザーが期待するとおりの動作をしてくれるので、使いやすいと感じることができる。

 

Uberも同様の“使いやすさ”を感じることができる。乗る前に行先と料金、ルートまで決まっていて、ドライバーと乗客のそれぞれのスマホに同じ情報がリアルタイムで表示される。ドライバーと乗客の間でのお金のやり取りは一切不要で、チップもいらない(チップについては、社内でもめたようだが・・)。ドライバーも乗客も身元がトレースできるので、トラブルが起きにくい安心感もある。

 

TechnoScapeのサービス

User Experienceのイメージがわかってもらえたと思います。これを個別の企業の製品に当てはめた“各論”に適用するのが実は難しいのです。確立された手法や手順がないので、ケース毎に知恵を絞るしかなありません。そのための米国における新技術や提携先の調査、ビジネスモデルや業界動向調査を当社 (TechnoScape, LLC) は提供しています。

 

 

TechnoScape では新規クライアントを募集しています。米国での新技術・業界動向調査、特定の企業へのアプローチ、現地活動のサポート等のご相談は info@TechnoScape.us までご相談ください。

 

 

 

 

 

 

 

« Amazon GO | トップページ | 防衛分野のセンサ »

テクノロジー・サイエンス」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: User Experienceを考える:

« Amazon GO | トップページ | 防衛分野のセンサ »