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2017年12月 9日 (土)

見えてきた、2030年の技術社会(6)

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見えてきた、2030年の技術社会 ~イノベーションからフュージョンへ~ 第6回

 

情報コンテンツの消費形態(後編)

 

前回の記事で、日本と韓国以外では4K放送は計画されていないと言った。それではなぜアメリカやヨーロッパで4Kテレビが売られているのだろう。放送以外で4Kを見る方法は、ブルーレイ・ディスクかインターネットのストリーミングだ。ハリウッド映画もブルーレイ・ディスクのフォーマトで一部の作品を4Kで提供している。また、HuluNetflix も自前で4Kソースを制作している。ハリウッドでは、デジタル時代のコンテンツ配信がいま最もホットな話題の一つになっている。ハリウッドのビジネスモデルは、コンテンツの制作、配給、そしてそれをお金に換えることを基本にしている。ところが、デジタルになると、配給だけでなく配信が加わるので、“お金に換える”プロセスを再構築する必要があるからだ。

 

一方で、今年のネットの広告収入の85%はGoogleFacebookに流れているという。ネットの広告収入は、いまや最も稼ぎのよいビジネスモデルになっている。

 

ハリウッドもFacebookも、ユーザーにより多くの時間コンテンツを消費してもらうことが直接収入増につながることを知っている。テレビだけでなく、PC、タブレット、スマホ、AR/VR、なんでもいいからユーザーが画面を見ている時間を増やすことが、彼らの至上命題なのだ。

 

そこで注目されているのが、OTT Video だ。OTT “Over the Top” の頭文字なのだが、これを聞いてもなお意味不明だろう。一言でいえば、インターネットでのストリーミングなのだが・・・ インターネットは、すでに(ストリーミングとは)別の目的でサーバーや光ファイバーが構築されている。ケーブルTVもすでにセットトップボックスとケーブルネットワークが構築されている。そういった既存のインフラを使って、その上でビデオコンテンツを流す、という意味で Over the Top と言っている。YoutubeHuluNetflixなどが代表格だ。

 

4K放送を実現するには、専用の通信衛星を用意して、専用の伝送プロトコルを開発して、専用のチューナーをユーザーに買わせなければならない。同じことをHDへの移行で一度やっているので、世界の国はもうそんなことはやりたくない(コストに見合わない)と思っている。だからOTT Video を解決策として使おうとしている。

 

OTT Video が普及すれば、テレビ放送はなくなる(もしくは、いらなくなる)と言われている。実際、わが家でもリアルタイムの“放送”でテレビをみることは極端に少なくなっている。ドキュメンタリー番組やドラマは、Huluなどネットでのオンデマンドサービスでまとめてみる。リアルタイム性を求めるのは、ニュースとスポーツくらいではないだろうか。Youtube 世代の子供たちには、テレビ番組というコンセプトを知らない子もいるらしい。

 

要は、テレビというハードウエアへのこだわりは全くなく、いかにして映像コンテンツの消費を促すかということに尽きる。そのためのOTT Video であり、オンデマンドであり、スマートテレビやRokuのようなユーザーインターフェイスなのだ。UIで次にくるのはAmazon Alexaに代表される、自然言語のスマートスピーカーなのかも知れない。

 

そして、2020年には携帯電話の5G通信が始まる。無線で10Gbpsという超高速通信の時代に突入する。4Kを非圧縮で伝送できる容量をもつ。それをプラットホームにして、あらゆるものがつながる。家はスマートホームになり、町はスマートシティになり、自動車は V2Xでコネクテッドカー+自動運転になる。もちろんテレビに配線なんかいらないし、街を歩きながら4Kコンテンツをみることができる。

 

 

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