テスラのモデル
Tesla Model 3 に試乗した
発売から1年経つTesla Model3
だが、予約に対する納入が大幅に遅れて、赤字が膨らんでいるらしい。それでも人気は衰えず、政府の補助金も後押しして、予約の列は減っていない。
そんな中で、Tesla の販売店で、試乗ができるようになった。逆に言えば、これまでは、試乗もせずにTeslaを買っていたのだから、そっちが驚きだ。
サンディエゴに住む知り合いが、予約をいれてくれて、早速Tesla
Model3 の試乗をすることができた。
試乗したのは、パワー全開で0-60mph (時速 0-100Km)が3.5秒の加速性能をもつモデル。デュアルモーターで加速優先のプログラム設定だ。音もなくあっという間に時速100Kmに達する。感じるのはシートに押し付けられる加速度だけだ。普段乗っているのは、6気筒エンジン で結構馬力のあるセダンなので、アメリカのフリーウエイでも、加速性能に不満を感じたことはないのだが、Tesla のデュアルモーターは、全く比べものにならない加速だ。クセになりそうで、ちょっと怖い。
加速性能だけでなく、同一車線での自動運転、ウインカーを出すだけで車が自分で安全確認をして車線を変更する機能、回生ブレーキ、自動駐車(車庫入れ)、スマホでの遠隔操作など、Teslaの機能については、ネットに情報が溢れているが、それが全て詰まっている。
Teslaのビジネスモデルは、まるでスマホ
今Tesla Model3を買うと、ソフトウエアは初期のバージョンだが、1年後くらいには新しいバージョンに無料でアップデートされるらしい。また、今は自動運転の機能は限定的だが、将来(法規的に許可されれば)ソフトウエアのスイッチを入れるだけで、自動運転が使えるようになる。自動運転に必要なハードウェアはすでに搭載されているので、Teslaが遠隔操作でスイッチを入れるだけでよい。ちなみに、今Model3を買う人は、プラス$3,000で将来の自動運転アプリへのアップグレードができる。
今回の試乗で一番驚いたのは、販売店の場所だ。Teslaの販売店は、なんとショッピングモールの中にある。アップルストアと同じ通りにTeslaがある。
Teslaは車自体がスマホのようなもので、ソフトやアプリをネットでダウンロードして使う。売りかたも車というよりスマホやパソコンに近い。買った後でOSをアップデートしたり、アプリを入れたりして、機能を付加しながら使う。例えば、自動運転アプリを入れたら、AIが学習するために100Km程度の実走行をした後で、同一車線自動運転の機能を使える。
Teslaは、修理のためのショップをカリフォルニアをはじめ、全米の各都市に持っているが、それに加えて Tesla Mobile Service という移動車でのサービス体制をとっている。多くの故障はソフトウエアの操作で修理できるということか。
既存のカーメーカーとは全く違うビジネスモデルで、全く違う売り方をしているTeslaが、市場に受け入れられつつある。
既存のカーメーカーもEVの開発に力を入れているが、販売やサービスをここまで大胆に変更することはできないだろう。
今後、このせめぎ合いがどう展開するか目が離せない。
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