« アメリカのETCが進化 | トップページ | シリコンバレーの真実 (第2回)研究開発アプローチの歴史 »

2019年8月 2日 (金)

シリコンバレーの真実 (第1回)シリコンバレーの秘密

700southwestair_sanjose

11-secret-of-silicon-valley

 

もう4~5年前になるが、「シリコンバレーの秘密」というなんとも興味をそそるタイトルの本を読んだことがある。シリコンバレーの成り立ちから、他の地域にない特徴をうまく解説した本だ。

 

シリコンバレーが形成された要因と歴史、そしてシリコンバレーのエコシステムについて、おおまかにまとめてみる。

 

 

1.シリコンバレーの形成

 

シリコンバレーが形成される過程で重要な要素となったのは、以下のような事柄である。

- スタンフォード大学という人材供給のハブがあったこと

- レドリック・ターマンやロバート・ノイスといった多くのリーダーがいたこと

- 移民法の改正により海外から有能な技術者の流入が増えたこと

- 政府の法整備等により、ベンチャー企業に資金が流れ込む仕組みができたこと

シリコンバレーの歴史は、第二次世界大戦後の1950年代から始まるが、始まりは軍事用の通信技術だった。その後、Intelに代表される集積化路、マイクとソフトやアップルなどのパソコン、Google, Facebookといったインターネットと、シリコンバレーの主要産業は変遷してきた。それは社会情勢や政府の政策などと絡み合って、時間をかけて独特の文化となっていった。シリコンバレーの歴史のおおまかなイメージを下図に示す。グラフはSBIRが提供した研究資金の推移だが、これは全米を対象にしたもので、シリコンバレーが受け取ったのはその一部だ。

12-history-of-silicon-valley

 

2.シリコンバレーのエコシステム

 

シリコンバレーのエコシステムを構成するのもとして、以下の要素があげられる。

  • スタンフォード大学とアジア系移民
  • リスクと失敗を許容する文化や独特の起業家精神がある
  • シリコンバレー独特のビジネスモデル
  • Sand Hill 通りの投資家と各分野の専門家

13-eco-system-of-silicon-valley

 

シリコンバレーのエコシステムについては、多くの本やブログで紹介されている。シリコンバレーのエコシステムの要点を書き出すと上図のようになる。シリコンバレーではこれらの要素が時間と空間をつなぎ合わせているような空気感がある。

 

 

3.シリコンバレーのコピー

 

アメリカ国内をはじめ世界の各地で、シリコンバレーのコピーを作ろうと、これまで何度も試みて失敗している。なぜシリコンバレーのコピーはできないのだろうか。この本の著者も、シリコンバレーのコピーはできないだろうと言っている。私もそう思う。シリコンバレーができたのは、歴史の中でタイミングよくいろいろな要素が組み合わさって、時間をかけて成熟した結果なのだ。

 

コピーはできないが、膨張して“飛び火”している現状について、このシリーズの最後に紹介するので、そちらも参照いただきたい。

 

 

 

参考文献

 

1) D. P. Piscionec著 “Secrets of Silicon Valley”Palgrave Macmillan, 2013

 

 

    欧米での新技術調査、オープンイノベーションのご相談は TechnoScape, LLC まで。

 

« アメリカのETCが進化 | トップページ | シリコンバレーの真実 (第2回)研究開発アプローチの歴史 »

テクノロジー・サイエンス」カテゴリの記事