あなたは兼業できますか?
日本ではリモートワークが定着し、東京から地方への移住が始まっている。企業も東京にオフィスを持つ必然性がなくなるので、分散型のオフィスに移行していくだろう。
さらに、企業側が兼業を認める動きが急速に広がっている。週休4日にして給料を減らすから、空いた時間で他の仕事をしてくださいと言われる。これまでフツーに会社員をやっていて、突然来月から兼業していいよと言われても困ってしまうだろう。しかし、これがニューノーマルになる可能性が非常に高い。その時、サラリーマンはどうするべきなのか。答えは一人一人違うはずだが、今のうちからそれに対応できるよう自分を準備しておかなければならない。
シリコンバレーではもう10年も前からそれをやっている。E-ブックの著書「日本企業のための、シリコンバレー流イノベーション」でも触れているが、”Solopreneurs” という言葉がある。起業家を意味する”Entrepreneur” に一人の”Solo”を合わせた造語だ。自分のもつ能力を使って複数の仕事を掛け持ちでやる人のことをいう。分かりやすい例でいうと、会計士が複数のベンチャーのCFO(経理担当役員)を兼任するといったことだ。それを、技術の分野でやる人達がいる。自分のもつ技術を複数の会社に同時に提供して対価を得る。
では、日本の企業でサラリーマンをやっている人が”Solopreneur” になることができるのか?いや、兼業が当たり前になったら、”Solopreneur” になるしかないではないか。
そのためには自分の能力を客観的に把握する必要がある。そして足りない部分を伸ばす努力も必要になる。
ここからは私自身の経験を、皆さんと共有することにしよう。
脱サラを決めたとき(いや、考え始めたとき)に考えたコトの一つに自分の能力の客観的評価があった。同じ会社でサラリーマンを20年もやっていると、それなりに社内の地位もできて“自分は仕事ができる”と思っていたが、同時にそれは社内に限ったことで、社会でそれがどれだけ通用するのかは未知数だった。おそらく使い物にはならないだろうとも思っていた。
そこで脱サラをする何年も前から“自分の経歴と実務経験”を書き出しては眺めることを繰り返した。できるだけ社内の事情を入れずに、世の中の基準で眺めながら何度も書き直す。日本人なので書き出す内容は控えめで、見るからに貧弱な経歴しかない。そこで、思い切って大風呂敷を広げるつもりで書いてみる。そうすると、社内では大した“能力”とはみなされないものが以外と世の中では貴重なモノであることに気づく。逆に能力が高いと思っていたことは、実は社内だけで通用するゴミのような能力だったこともわかる。
自分の実務経験を書き出していくうちに足りないモノも見えてくる。それを補うには何年もかかるかもしれないが、その時点で努力を始めることはできる。
こうして書き出した経歴と実務経験が、兼業のための仕事探しや起業をするときの武器になる。兼業で稼ぐ”Solopreneur” になるためには必ず必要なプロセスなので、皆さんも今のうちから自分の経歴と実務経験を書き出す作業を始めることを勧める。
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