テクノロジー・サイエンス

2021年2月20日 (土)

アメリカで見つけた、おもしろ新技術(5); サハラの蟻

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第5回はサハラの蟻について。灼熱の砂漠にアリが生息していることも驚きだが、それを研究している物理学者がいることにも驚かされる。

サハラ砂漠にシルバーアントという蟻が生息している。普段は砂の中に潜んでいるが、日中の10分間だけ砂の上に出て食料を探すという。日中の砂の表面は70℃以上になる。体が小さく熱容量の小さいアリが灼熱の砂の上にでるのだから、一瞬で焼け焦げてしまいそうだが、この蟻は生きている。

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(Image: Vincent Amouroux, Mona Lisa production/ Science Photo Lab)

ニューヨークにあるコロンビア大学の先生は、この蟻がなぜ灼熱の環境で生きていられるのかを研究している。この蟻は体が細かい毛でおおわれていて、その毛のおかげで体表温度を10℃くらい低く保てるという。

秘密は毛の構造にあった。この蟻の毛は中空構造になっている。その中空構造の断面サイズが熱(つまり遠赤外線)の波長よりも小さく、熱線は毛の内部に吸収されその後内部での反射を繰り返すという。そのため、蟻は体温を低く保つことができるのだそうだ。

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(Image: Norman Nan Shi and Nanfang Yu, Columbia Engineering)

先生の研究はこれで終わりではない。シルバーアントの毛の中空構造を人工的に再現することで新しい素材を作ったのだ。ナノサイズの中空構造をもった材料をペンキにしてビルの屋上の塗装をすると、高い断熱効果があるという。その材料を製造販売するスタートアップも立ち上げた。将来は断熱効果の高い住宅や、炎天下でも社内が熱くならない車などができるかもしれない。

 

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2020年12月14日 (月)

アメリカで見つけた、おもしろ新技術(4); ヤモリの吸盤

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第4回はGeckSkin。Geckoはヤモリのこと。これはヤモリの吸盤を人工的につくるという話だ。

University of Massachusetts – Amherst が開発した “Geckskin” は、ヤモリの足の裏の微細構造を再現したもの。なめらかな表面への吸着・剥離を繰り返すことができる。開発当初は700ポンド(300Kg超)の重量を支えるフィルムだった。

2013年に、GeckSkinを製品化するためのFelsuma LLCという会社を設立した。

 

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現在製品化されているのは、目張り用のテープGeckskin Gripseal Foam Sealant Tapeや繰り返し貼れるGriphook、何度も書いて貼れる GriptileC、何度も貼れる両面テープのGriptile TS他アイデア商品的なものがある。

この技術は、もともとDARPA(アメリカ国防高等研究計画局)の資金で開発していた。現在は、米軍の資金でZ-Man projectという垂直な壁を上ることができる手袋を開発中。トムクルーズでなくてもガラス張りのビルを登れる日が来るかもしれない。

https://youtu.be/okNPuGNuARs

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2020年12月 8日 (火)

アメリカで見つけた、おもしろ新技術(3); ドローンタクシー

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ドローンが映画やテレビの撮影に使われるのは普通になっている。それに加えて、数年前から世界各地で有人ドローンの開発が進んでいる。

 

アメリカの大手ヘリコプターメーカーのBellもその一つだ。もともとBell Helicopters という会社だったのだが、社名からHelicoptersを外してドローンの開発を手掛けるようになった。2年前からラスベガスのエレクトロニクスショー CESでも展示をしている。

2年前の展示ではハイブリッドで、6ロータの垂直離着陸機、航続距離は 150マイル。昨年は、全電動の4人乗りで、航続距離60マイル (96Km)を展示した。

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UberはUberAirというプロジェクトを作って、各国のメーカーに参加を呼び掛けている。上記のBellや韓国の現代自動車も参加している。ドローンは基本的に電動なので、バッテリーの容量で航続距離がきまる。Uberは「UberAirに関する要求仕様」を公表している。そこには、航続距離や最高速度、安全性・騒音など機体に関する性能や、発着場の充電設備などにも触れている。

現代自動車も去年のCESに有人ドローンのコンセプト機を展示している。性能はBellとほぼ同じで、4人乗り、航続距離は60マイル(96Km)。

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もちろん同様の開発は中国でも盛んにおこなわれており、実用化は早いと思われる。ここでも資本主義圏と社会・共産主義圏の対立が予測される。

 

 

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2020年11月 1日 (日)

あなたは兼業できますか?

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日本ではリモートワークが定着し、東京から地方への移住が始まっている。企業も東京にオフィスを持つ必然性がなくなるので、分散型のオフィスに移行していくだろう。

さらに、企業側が兼業を認める動きが急速に広がっている。週休4日にして給料を減らすから、空いた時間で他の仕事をしてくださいと言われる。これまでフツーに会社員をやっていて、突然来月から兼業していいよと言われても困ってしまうだろう。しかし、これがニューノーマルになる可能性が非常に高い。その時、サラリーマンはどうするべきなのか。答えは一人一人違うはずだが、今のうちからそれに対応できるよう自分を準備しておかなければならない。

シリコンバレーではもう10年も前からそれをやっている。E-ブックの著書「日本企業のための、シリコンバレー流イノベーション」でも触れているが、”Solopreneurs” という言葉がある。起業家を意味する”Entrepreneur” に一人の”Solo”を合わせた造語だ。自分のもつ能力を使って複数の仕事を掛け持ちでやる人のことをいう。分かりやすい例でいうと、会計士が複数のベンチャーのCFO(経理担当役員)を兼任するといったことだ。それを、技術の分野でやる人達がいる。自分のもつ技術を複数の会社に同時に提供して対価を得る。

では、日本の企業でサラリーマンをやっている人が”Solopreneur” になることができるのか?いや、兼業が当たり前になったら、”Solopreneur” になるしかないではないか。

そのためには自分の能力を客観的に把握する必要がある。そして足りない部分を伸ばす努力も必要になる。

 

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ここからは私自身の経験を、皆さんと共有することにしよう。

脱サラを決めたとき(いや、考え始めたとき)に考えたコトの一つに自分の能力の客観的評価があった。同じ会社でサラリーマンを20年もやっていると、それなりに社内の地位もできて“自分は仕事ができる”と思っていたが、同時にそれは社内に限ったことで、社会でそれがどれだけ通用するのかは未知数だった。おそらく使い物にはならないだろうとも思っていた。

そこで脱サラをする何年も前から“自分の経歴と実務経験”を書き出しては眺めることを繰り返した。できるだけ社内の事情を入れずに、世の中の基準で眺めながら何度も書き直す。日本人なので書き出す内容は控えめで、見るからに貧弱な経歴しかない。そこで、思い切って大風呂敷を広げるつもりで書いてみる。そうすると、社内では大した“能力”とはみなされないものが以外と世の中では貴重なモノであることに気づく。逆に能力が高いと思っていたことは、実は社内だけで通用するゴミのような能力だったこともわかる。

自分の実務経験を書き出していくうちに足りないモノも見えてくる。それを補うには何年もかかるかもしれないが、その時点で努力を始めることはできる。

こうして書き出した経歴と実務経験が、兼業のための仕事探しや起業をするときの武器になる。兼業で稼ぐ”Solopreneur” になるためには必ず必要なプロセスなので、皆さんも今のうちから自分の経歴と実務経験を書き出す作業を始めることを勧める。

 

 

 

 

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2020年10月29日 (木)

アメリカで見つけた、おもしろ新技術(2); 自己修復材料

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第2回はSelf-healing、つまり“自己修復材料”について紹介する。

 

 

形状記憶合金は実用化されていて、日常生活でも見かけることがあるが、壊れても自分で修復する材料はまだ実用化されていない。しかし、ハサミで切っても再びくっつくプラスチックや断線しても自分で修復する配線など、研究機関では様々な材料が研究されている。そのいくつかを紹介する。

 

Penn State

Pennsylvania State Universityでは、窒化ホウ素のナノシート(boron nitride nanosheets)をポリマー材料に分散させたもので、完全に切り離した2片の端面を合わせて80℃で加熱することで接合する。切断面を近接させることで、窒化ホウ素表面での水素結合を誘導し、再度接合することができる。

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Image: Qing Wang / Penn State

 

 

University of Illinois

ポリウレア樹脂が分子レベルで自己修復する。例えば、自己修復機能をもつポリウレタンを作ることで、傷がついても自分で修復する塗料ができる可能性がある。

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Image: University of Illinois

 

 

Carnegie Mellon

柔らかいゴム状の材料に液体金属の液滴を分散させた構造で、機械的損傷を自己修復する。導電性を持っていて、例えばソフトロボティックスの配線が自己修復機能を持つような用途が考えられる。

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Image: Carnegie Mellon University

 

 

 

Pacific Northwest National Laboratory(米国エネルギー省の国立研究所)

Peptoidsという異種のポリマー分子が配列構造をつくったシート状の2次元材料を開発。生物の細胞が配列した構造のメンブレンに似ている。このシートにAFMで幅数十ナノメーター、長さ数ミクロンの傷をつけたところ、自己修復を観察した。

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Image: James J. De Yoreo, Pacific Northwest National Laboratory

 

 

 

 

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2020年9月26日 (土)

アメリカで見つけた、おもしろ新技術(1); Slippery Surfaces

 
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このブログの本来の趣旨に立ち返って、アメリカで見つけたちょっと変わった新技術をシリーズで紹介する。

 

第1回はSlippery Surfaces 。無理やり日本語で表すと“なめらか表面”とでも言おうか。

 

みなさんはアメリカのレストランでケチャップがビンから出なくて困ったことはないだろうか。今はチューブのボトルになっているが、以前はガラス瓶だったので、逆さにしてもケチャップが落ちてこなくて、力まかせに振って皿にぶつけたり、ドバーッと出たりした。

 

表面に微細構造を作ることで、液体や汚れが滑りやすくなる。代表的な研究機関はMITとHarvard大学だ。

 

MITの研究成果はLiquiGlide Inc.というスタートアップになっている。同社のWebサイトには例のケチャップの動画が掲載されている。

 

http://www.liquiglide.com/

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Harvard大学ではWyss InstituteでJoanna Aizenberg教授のチームが研究をしている。表面を多孔質構造にすることでSLIPSを実現している。Aizenberg教授もSLIPS Technologiesというスタートアップを立ち上げているようだ。

 

https://wyss.harvard.edu/technology/slips-slippery-liquid-infused-porous-surfaces/

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Aizenberg教授の研究室ではその他にナノ・ストラクチャー、ストラクチャルカラー、コロイダル結晶テンプレート材料などの研究をしている。

 

また、同教授が所属するHarvard大学のWyss Instituteでは、ポーラスセラミックスを使った吸音材や壁材料、洗剤のにおいカプセル、折り紙トランスフォーメーション、バクテリアを使って作るたんぱく質で機能性バイオフィルムなど、ユニークな研究をしている先生が多い。

 

 

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2020年6月17日 (水)

リモートワークと働き方改革(2)

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前回につづき、リモートワークと働き方改革について、私の実体験を今のコロナの状況に重ねて紹介する。

 

■ 一人働き方改革

 

リモートワークで地方移住を考える場合、住む場所についてもいろいろな要素が期待できる。子育ての環境や自分の趣味、親の介護や家族の健康など、その人にとって重要な要素は様々だろう。都会に住んで満員電車で通勤することから比べると、選択肢が多く何を選んでよいのかもわからなくなるかもしれない。優先順位をしっかりつけて、家族と話し合って決めていくことが大切だ。

 

私の場合は、駐在でカリフォルニアに生活基盤があったことや、子供たちが大学生になるタイミングだったこと、新しく始めるビジネスのロールモデルがあったことなど、さまざまな要因が重なって、アメリカに住むことに決めた。

 

それ以前に、人生の中で一定期間はアメリカに住みたいという思いがあったし、いつかは“社長”になりたいと思っていたことも事実だ。そういった“夢”というほどではない漠然とした“思い”が実現できたことも“一人働き方改革”を実行した副産物だった。いや、どうせ会社を辞めて人生をリセットするなら、そういった子供じみた“思い”も一緒に丸ごと実現させたいと、突き進んだというべきだろうか。

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リモートワークが進むと、能力のある社員は兼業も視野に入ってくる。会社の仕事が成果で評価されるようになると、短時間で成果を出せる人材は自分の時間に余裕ができるので、その時間に他の仕事ができるはずだ。

 

5~6年前にシリコンバレーの特徴を表すキーワードとして“Solopreneurs”という言葉があった。起業家を意味するEntrepreneurとう単語の前半を1人という意味のSoloに置き換えた造語で、「一人起業家」といった意味合いをもつ。シリコンバレーでは能力のある人材が掛け持ちで複数のベンチャー企業の仕事をするケースがある。これを ”Solopreneurs”という。もちろん収入もその分増える。日本でも不可能ではないはずだ。

 

リモートワークが浸透すると地方への移住が増える理由は他にもある。日本の都市圏の住居はとにかく狭い。2LDKのマンションで子供がいる家庭では家の中でリモートワークをするスペースなどないはずだ。そもそも書斎のある家を持っている人は少ない。田舎に行って広い家に住めば、仕事用の部屋も確保できるので、働き方改革と合わせて一石二鳥だ。

 

リモートワークによる地方移住が大きな流れになると、都市部と地方の住宅市場にも変化がおこり、そこに新たなビジネスチャンスも生まれる。地方に移住したからといって人の移動が減るわけではなく、移動の場所や形態が変化する。ドローンタクシーの実現も近いかもしれない。そこにも、これまでにないビジネスモデルがあるはずだ。

 

田舎の両親がなくなって兄が実家を受け継いだときに、5年後を見据えて家の前の畑にドローンの発着場を整備しようと提案したことがある。その頃はまだ中国人のインバウンドを見込んでの提案だったが、今となっては別のモデルを考えるべきだろう。このように、リモートワークや働き方改革が新しいビジネスモデルのアイデアを生み出すきっかけになることも大いに期待できる。

 

 

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リモートワークと働き方改革(1)

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コロナの影響で日本でも大企業を中心にリモートワークが広がった。この流れはコロナが収まっても続いていく。世界の企業では、すでにリモートワークが定着しているところも多い。

 

会社に行かなくても仕事ができるなら、地方への移住が増えたり、企業の東京以外への移転も加速されるだろう。地方への移住は、個人の働き方と同時にその人の生き方を変えることを意味する。

 

私が脱サラして会社を作ったのはもう10年も前のことだ。その頃の日本企業は、バブル崩壊後の20年を内部留保の蓄えに使って、社内では業務改革という名の会議が延々と続き、コンプライアンスという名目の書類に追われる状況だった。

 

私が会社を辞める決断をした理由は別にあるのだが、その時に“自分のこれからの働き方”を考えたことは事実だ。自分はどこに住んで、どういう暮しをして、どういう働き方をしたいのだろうか、ということを原点に戻って考えた。その結果が、日本ではなくてアメリカだった。サラリーマンではなくて自営のコンサルタントだった。

 

その頃は、残業ゼロとか育休取得だとかは言っていたが、働き方改革という言葉はあまり言われていなかったと思う。いま思い返してみると、自分はその時に働き方改革を一人で勝手にやってしまったということになる。

 

そのころに考えていたことを今のコロナの状況と重ね合わせてみると不思議なほど合致するので、皆さんに紹介してみたいと思う。

 

 

 

■ 私のリモートワーク

 

コロナの影響で突然リモートワークになった人たちは、上司も部下もそれぞれの立場で困ったり戸惑ったりしていると思う。上司は部下を管理しないことが不安で仕方がないと感じている。部下は管理されないことが不安だと思う。

 

日本の会社は労働の管理を時間でやっているので、時間で管理できないリモートワークになると、部下の労働管理をどうやっていいかわからない上司も多いだろう。一日何回も部下に対して、仕事をしているかの確認のラインを送る上司もいるとか・・・ 

 

部下も会社の机でパソコンに向かっている時間が長ければ長いほど“仕事をしてる”アピールができるので安心だったが、リモートワークになると成果だけしかアピールできるものがなくなる。

 

これは、私が独立してコンサルタントを始めたときから10年間闘い続けていることだ。コンサルタントなので、クライアントに提供する成果だけが評価の対象になる。究極のリモートワークだ。どれだけ時間をかけたかはクライアントには関係ない。クライアントが求めるものを提供できて当たり前で、継続して契約してもらうためにはそれ以上のものを提供しなければ、すぐに契約を切られる。しかも、ここまでやれば十分という“合格ライン”がないので、いつも不安でしかたがない。

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上司の立場でリモートワークを使いこなすためには、部下を成果で評価する能力が必要だ。部下に成果を出させるためには、求める内容と目標レベルを部下に明確に示してやることも必要だ。さらに成果で評価するためには、仕事の内容を上司が理解している必要がある。技術系では上司よりも部下の方が専門知識を持っている場合がある。そんなときは、市場や客先のニーズに基づく方向性と達成レベルを明確にすることで、部下を指導することができる。

 

部下の立場でリモートワークを成功させるには、上司が何を求めているのかを正確に把握することから始める。ほとんどの上司は自分の指示を明確に伝えることができないと思った方が良い。言われたことだけを聞いて納得してはいけない。言葉の裏にある本当のニーズを理解する努力をする必要がある。それが判れば、あとはやるだけなので、そんなに難しくはない。

 

コンサルタントの場合も同じだ。クライアントの要求を正確に理解することが、コンサルタントの第一歩だ。クライアントも彼らの要求を正確に伝えられないことが多い。そんなときは、こちらから質問を繰り返して本当のニーズを引き出す努力をする。これを間違って理解すると、出した成果が評価されないという最悪の事態になる。コンサルタントとしては死活問題になるので必死だ。

 

(づづく)

 

 

 

 

 

 

2020年5月23日 (土)

最近の調査実績

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弊社、TechnoScape, LLC は米国カリフォルニア州の技術コンサルタントです。ロサンゼルスを拠点にして、日本企業の皆さまのイノベーションを支援しています。このブログでは、米国における技術トレンドやその時々のトピックを紹介しています。

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今回は、TechnoScapeが実施した、ここ最近の調査やセミナーを紹介します。もちろん、個別のクライアントに関する情報は開示できないので、技術面での項目のみを書き出しています。弊社の活動のイメージをご理解いただければと思います。

 

 

プリンテッドエレクトロニクス

  • 市場予測
  • 材料(銀、銅、グラフェン、CNT、有機物、他)
  • アプリケーション(テキスタイル、バッテリー、RFID、センサ、他)
  • プロセス(印刷、3D印刷、他)

 

センサ

  • ウエアラブルセンサ
  • ガスセンサ、圧力センサ
  • バイタル、血糖値、心電図、汗、涙、他
  • バイオセンサ(タンパク質、アミノ酸、ペプチド、、)
  • OFETセンサ

 

ワイヤレスセンサの市場トレンド

  • IoTネットワーク
  • エナジーハーベスタ
  • スマートシティ
  • スマートホーム
  • 医療用センサ

 

米国の水処理業界

 

米国医療制度と社会問題

  • 慢性病
  • オピオイド
  • 電子タバコ

 

SBIR分析

  • SBIRは米国政府の開発補助金制度で年間3,000億円を超える資金が投じられています。毎年5,000件を超えるプロジェクトに資金提供しています。過去10年以上にわたり、補助金の動向を分析しています。

 

VCトレンド

  • 全米ベンチャーキャピタル協会の統計資料などから、VCの投資動向を分析しています。

 

CESレポート

  • 毎年ラスベガスで開催されるCESは、世界最大のエレクトロニクス展示会です。TechnoScapeでは過去10年間毎年参加して、展示会場のレポートを作成しています。独自に選んだ100社以上の展示ブースの内容を1,000枚を超える写真データと共に提供しています。

 

イノベーションセミナー

  • イノベーションに関する情報やトレンド、ケーススタディなどを、ご要望に応じて提供しています。

 

 

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2020年5月 3日 (日)

9月入学の議論は正しくされていないのではないか

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新型コロナの自粛が長引くなかで、日本では9月入学の議論が急に盛り上がっているが、果たして正しい議論がされているのだろうか。9月入学にすること自体は良いと思うし、コロナの騒動で一機に移行するのも悪くはないと思う。

 

しかし、日本のテレビで言われている議論を見ると、大事なことがいくつか抜けている。ワイドショーの芸能人コメンテーターや政治や教育の“専門家”と言われる人たちは何も分かっていないのに無責任なコメントを公共の電波に乗せている。非常に心配だ。

 

アメリカの教育制度は K12 と言われ、幼稚園の最終1年から高校までを義務教育としている。カリフォルニア州の公立校では小学校6年、中学2年、高校4年だが、私立では中高一貫のところも多い。以前は中学校をジュニアハイスクールと呼んでいたが、今はミドルスクールと呼んでいる。これは、中学を高校へのつなぎの教育と位置づけて6年生から8年生を対象として、協働学習などに重点を置いている。

 

K12の新学期は9月からはじまり、6月で学年が終了する。KはKinderで幼稚園の最終学年のこと。小学校1年生には、その年の12月までに6歳になる子供が9月に入学する。これが実は日米で大きな違いになっている。アメリカの子供たちは、日本の子供たちより半年早く就学している。つまり、現状で日本の子供たちはアメリカの子供よりも半年遅れて入学している。

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さて、いま日本で議論が盛り上がっている9月入学への変更には、抜けている部分が多い。まず、現在の日本の議論は、4月からの新学期で授業ができていないから(あるいは格差がついているから)“この際5ケ月遅らせて9月はじまりにすればいいじゃないか”というものだ。これは大変な間違いで、これをやると日本の子供たちはアメリカの子供よりも1年遅れて就学することになる。今年の9月に入学させるべきは、今の1年生ではなく来年の1年生なのだ。

 

仮に今年9月を新学期として今の1年生を9月から入学させる場合は、来年の1年生も同時に入学させて、1年生を“2学年”つくる必要がある。今年が無理でも近い将来1年生を2学年作るという変則的な運用をしなければ、日本の教育は永遠にアメリカや世界から1学年遅い状態が続くことになる。

 

もう一つ議論が必要なことは、高校の義務教育化だ。9月入学にするなら、高校の義務教育化を同時に進めるべきだろう。中1ギャップといわれる学校間接続の問題とともに、大学への接続である高大接続の問題を本格的に議論するべきだろう。

 

日本の大学教育はすでに一部で変革が始まっており、より実践的でイノベイティブな教育に変わりつつある。中等教育と高等教育を結び付ける「高大接続」の議論には高校の変革が不可欠なので、これを機に考えていくのがよいと思う。

 

教育には非常に多くの側面があり、ここで指摘したことはその一つにすぎない。一時的な盛り上がりではなく、地に足のついた議論を期待する。

 

 

 

 

 

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